看護師は結婚してからも続けられる職業ですが、結婚してからの働き方は変わるし選択肢もたくさんあります。
実は看護師の退職理由で多いのが「結婚」なんです。苦労して資格を取ったものの、結婚を機に退職を考える人や、家庭の事を考え転職して働き方を変える看護師は少なくありません。
では、結婚して退職する人はどのくらいの割合でいるのでしょうか?
この記事の目次
看護師が結婚して退職する割合は??
こちらは看護師のここ数年における離職率です(Google検索にて)
毎年10%前後の割合で退職していることがわかります。
ではそこからさらに掘り下げて、退職する看護師の主な理由をまとめました。
退職理由 | 20代 | 30代 | 40代 |
結婚・出産 | 15.4% | 30.3% | 20.7% |
給与アップ | 13.6% | 30.5% | 53% |
スキルアップ | 27.3% | 10.7% | 10.6% |
人間関係 | 43.7% | 28.5% | 15.7% |
看護師は結婚が遅いと言われていますが、年代により退職理由の比率が変わってきます。
20代は「人間関係」が原因で退職を考える看護師が多く、
30代で一番多かったのが「結婚・出産」でした
40代では「給与アップ」の理由が多いですが、「結婚・出産」も20代より上回るデータに
どの世代でも看護師の退職理由に「結婚・出産」が多い事が伺えます。特に30代は一番結婚やその後の働き方に向き合う年代なので退職が一番多いのも納得できます。
看護師が結婚したら退職する理由
結婚して家庭との両立をどう図るか、インシデントやアクシデントを起こした時にそのショックを乗り越えられるのか、自分の中で許せないと思うようなことが横行している組織に目をつぶれるか、心身ともに疲れ果ててしまった時、どうするかといった壁にぶち当たります。
看護師は大変なお仕事です。
「家庭と仕事の両立なんてとても無理」と独身の看護師はほとんどそう言います。独身の時でさえ、毎日仕事に追われていて、自分のことで精一杯。掃除も適当でいいし、食事だって疲れている時は外食やコンビニで済ませてしまうことができるけど、結婚すればそういうわけにはいかなくなります。
結婚ならまだしも、子供が生まれるとさらに両立する事は難しいです。将来的な事を考えると退職するという選択肢が一番最初に入ってくるのかもしれません。
看護師が結婚退職した時のメリット・デメリット
メリット
- 家庭の事を中心にできる
- 体力、精神的にゆとりができる
- 結婚相手を全面的にサポートできる
- 子育てに専念できる
- 職場の人間関係で悩まなくて済む
デメリット
- 苦労して取得した看護師免許が無駄になる
- 収入がなくなるので経済的余裕がなくなる
- 仕事に対するやりがいがなくなってしまう
- 今まで仕事をしてきた看護師としての苦労が無駄になる
やはりメリットは家庭の事を中心にできるのが大きく、デメリットは今までの看護師としての苦労がなくなってしまうことです。
そこに関してはどう感じるかはひとそれぞれ違ってきます。専業主婦になったからと言って、絶対に家庭が円満になるかというとそうではありませんし、看護師を続けたからと言って結婚相手とうまくいかなくなるという事はありません。最終的に結婚相手しっかり今後どうしていきどうなりたいかを話し合うって決めるべきです。
結婚して退職した先輩たちの意見
[voice icon=”https://xn--h1sr2g2x3aqxfs5s.com/wp-content/uploads/2016/06/prf_48.png” name=”Aさん” type=”l”]27歳看護師です。25で結婚しました。今は保健関連の仕事で看護師として働いています。
正社員ですが、給料は100万円以上下がりました。
それでも、夜勤がなく、必ず定時で上がれ、肉体労働では
ないので家事も全て私一人で出来ます。
夫は激務のため、家に帰ってあたたかいご飯ときれいな家、
私が精神的に余裕を持っている 状態が何より癒されるといいます。
[voice icon=”https://xn--h1sr2g2x3aqxfs5s.com/wp-content/uploads/2016/06/prf_48.png” name=”Kさん” type=”l”]28歳の時に結婚した看護師です。
私は一度結婚を機に退職しましたが今は現場に復帰しています。どっちを選んでも自分が納得する事が一番大切だと思います。旦那にやってあげたいのは私だし、キャリアを捨ててでも奥様になりたかったのも私。後悔はありませんよ。
[/voice][voice icon=”https://xn--h1sr2g2x3aqxfs5s.com/wp-content/uploads/2016/06/prf_48.png” name=”Tさん” type=”l”]主人は公務員で海外勤務で年に3ヶ月ほどしか日本にはいない状態で結婚。
一人目の子供の育児休暇を二年取りましたがやはり家庭の状況を考えると私が家庭に入り育児と家事をこなさなければないと退職しましたが今は子供も小学生になり市役所で働いています。
とにかく子供ができるまでは今の状態で仕事続けてもいいような気もします。あとは節約などで乗り切っていって働ける時期を待ちましたよ。
[/voice][voice icon=”https://xn--h1sr2g2x3aqxfs5s.com/wp-content/uploads/2016/06/prf_48.png” name=”Hさん” type=”l”]15年目の看護師で、2人の子持ちです。
私は看護師としてのキャリアも捨てたくないし、夫も看護師なので子供との時間もとれるよう夜勤の少ない病棟に異動し、15年間ずっと同じ病院に勤めてきました。今の病院は昔と違って、しっかりと従業員のことを考えてくれるところが多いので、一度上司に相談してみるのが一番いいと思います。社会人として、そして組織の一員として、やはり「結婚を考えている。」という事実だけは早めにしっかり責任者に伝えておくのがルールです。
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結婚したら退職しないといけないの?
結婚すると仕事・家庭に追われて今まで以上に大変になりますが、決して結婚したから退職しないといけないわけではありません。
せっかく看護免許取得の為に学費を出してくれた親や周りの友人は「もったいない」と言うかもしれません。でも根本的に一番大事なのは「自分自身が続けて行きたいかどうかです」。そのまま仕事を続けて残業や夜勤をこなすと、負担が一番かかるのは自分ではなく結婚相手ではないでしょうか。
また今後、産休・育休を取って復帰する事も考えるなら、子供や両親にも迷惑をかけてしまう可能性もあるので、こう言った点は十分に検討すべきです。
看護師 結婚を決めたらまず上司と相談して今後どうしていきたいか自分の意思をしっかり伝えましょう。
結婚の報告は半年前〜4か月前にするのがベストです。日勤だけにしたりパート勤務に変えて家庭を優先する道もあります。現状の環境を変える事が厳しい場合は夜勤がなく、日勤だけ働けるクリニックや介護施設に転職するのがいいでしょう。家庭を大事にするなら仕事よりも家庭を基準にした仕事選びが大事になってきます。
結婚退職した後、出産・子育てが一通り終えた頃に看護師として復帰を考える人も少なくありません。ただ、日々進歩する医療の現場、一年のブランクでも付いていけなくなると言われ、3年で新人、5年で看護学生ぐらいまで落ちると言われています。
そう考えると結婚・出産・子育てを終えてから現場復帰するのは簡単なことではありません。これは結婚したのが若ければ若いほど、ブランクを取り戻すのが難しいです。
ただ、復帰前にしっかりと予習、復習等の準備をしたり、復職支援のある病院へ再就職することで、ある程度ブランクも解消出来るので、結局は復帰後の頑張り次第で免許さえあれば何とかなると言われています。看護師は長く働ける職業なので、復帰するという選択肢はいつでも考えておくべきだと思います。
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